創作モチーフ大図鑑MYTHS · STORIES · ORIGINS
トップ›ギリシャ神話›ポセイドン
荒れる海辺で三叉の槍を持つポセイドンを表した独自制作イメージ。

古代ギリシャ · 神

ポセイドン

Poseidon

Codex ImageGen による独自制作イメージ。古代の図像資料の再現ではありません。

ポセイドンはどんな神?

ポセイドンは、ギリシャ神話で海を治める神です。三叉の槍を持つ姿で知られ、海を荒らすだけでなく、地を揺らす神、馬に関わる神とも呼ばれました。英雄オデュッセウスが息子の目を潰したことで怒り、その帰還を長く妨げるなど、人間の航海を左右する大きな力として描かれます。[1][4][3]

  • 海はゼウスから借りた領域ではない三兄弟がくじを引いた結果、ポセイドン自身が白波の立つ海を受け持つことになりました。
  • 英雄の帰還を海から妨げた息子ポリュフェモスの目を潰したオデュッセウスに怒り、故郷への航海を長く苦しいものにしました。
  • 三叉の槍が、神を見分ける印になる古代の像では、手に雷霆があればゼウス、三叉の槍があればポセイドンと見分けられます。

基本情報

分類
ギリシャ神話 / オリュンポスの神
司るもの
海、地震、馬
主な象徴
三叉の槍、馬、イルカ
目次

ポセイドンの力は、物語をどう動かした?

海の支配、オデュッセウスへの怒り、アテナとの競争から役割をたどります。

海の支配者になったのは、くじの結果だった

ポセイドンは、ゼウスやハデスと同じくクロノスとレアの子です。古い神々との戦いを終えた三兄弟はくじを引き、ポセイドンは白波の立つ海、ハデスは冥界、ゼウスは天空を得ました。海はゼウスから借りた場所ではなく、ポセイドン自身の領域です。[1]

そのため『イリアス』でゼウスから戦いをやめるよう命じられたとき、ポセイドンは自分も同じ名誉を持つ兄弟だと反発します。最後には退きますが、ここから見えるのは、ゼウスの部下というより、自分の領分と誇りを持つ強大な神の姿です。[1]

物語に登場する相手とのつながりを、役割ごとに整理しました。名前を選ぶと関係する逸話へ移動できます。

ポセイドン神

兄弟と物語の相手

ゼウス

くじで天空を得た兄弟。ポセイドンは同じ名誉を持つと主張します。[1]

アテナ

アッティカの守護を競い、オリーブを贈って選ばれた女神。[5]

息子の目を潰された怒りが、長い航海を生んだ

『オデュッセイア』で英雄オデュッセウスは、一つ目の巨人ポリュフェモスの洞窟に閉じ込められます。仲間を食べられた彼は、名を『誰でもない』と偽り、酒で眠らせたポリュフェモスの目を焼いて脱出しました。[4]

ところが船で離れる途中、オデュッセウスは自分の本名を叫びます。ポリュフェモスは父ポセイドンへ、彼が帰れないように、帰れても仲間を失い、遅れて苦しみながら着くよう祈りました。海神の怒りはこの祈りをきっかけに続き、知恵で危機を破った英雄の誇りが、新しい危機を呼び込みます。[4]

  1. 1
    洞窟

    ポリュフェモスがオデュッセウス一行を閉じ込める。[4]

  2. 2
    脱出

    オデュッセウスが目を潰し、羊に隠れて逃げる。[4]

  3. 3
    本名

    安全な距離から本名を明かしてしまう。[4]

  4. 4
    父への祈り

    ポリュフェモスがポセイドンへ、帰還を妨げるよう願う。[4]

アテナとの競争では、都市の守護者になれなかった

ポセイドンは海だけでなく、都市を自分の守護下に置こうとする物語にも登場します。アテナとアッティカの地を争った話では、二柱がそれぞれ土地への贈り物を示し、どちらを守護神に選ぶかが決められます。[5]

後世のオウィディウスに基づく美術作品では、ポセイドンが三叉の槍で地を打つと馬が現れ、アテナはオリーブを生やします。神々はアテナの贈り物を選び、都市はアテナイと呼ばれるようになりました。この場面は古代ギリシャの一つの固定版ではなく、時代と資料で贈り物の説明が変わる物語として扱う必要があります。[5]

さらに詳しく知る

地震・馬との結びつきと、古代美術での見分け方を整理します。

海の神なのに、地震と馬にもつながる

ホメロスの物語では、ポセイドンは『大地を揺らす神』と呼ばれます。海面の波だけでなく、足元の大地まで動かす力があるためです。海岸で暮らし、船で移動した人々にとって、嵐と地震はどちらも生活を一変させる大きな自然の力でした。[1]

馬との結びつきも繰り返し現れます。アテナとの競争を描く後世の図では、三叉の槍で岩を打つと馬が飛び出します。創作で海馬や波から走り出す馬がポセイドンと組み合わされるのは、こうした伝承の重なりが背景にあります。[5]

三叉の槍は、海の神を見分ける印になった

メトロポリタン美術館の青銅像には、右手に持っていた道具が失われたため、ゼウスかポセイドンか断定できない人物像があります。雷霆ならゼウス、漁に用いる三叉の槍ならポセイドンです。持ち物が神の領域を一目で伝えていました。[3]

岬スニオンのポセイドン神殿が海を見渡す場所に建つように、信仰の場所も神の性格を伝えます。神話では怒りで航海を妨げる一方、現実の船乗りにとっては無事な航海を願う相手でもありました。破壊だけでなく、海を渡る人が頼る神でもあったのです。[2]

ポセイドンが登場する作品

作品ごとの登場人物や設定を紹介します。

出典・参考資料

本文の注番号から、根拠にした資料を確認できます。

  1. 1
    Homer, Iliad, Book 15 ↗ Perseus Digital Library, Tufts University · 一次資料(英訳)

    ゼウス、ポセイドン、ハデスがくじで天空・海・冥界を分け、地上とオリュンポスは共有したというポセイドンの言葉を確認。

  2. 2
    Greek Gods and Religious Practices ↗ The Metropolitan Museum of Art · 博物館解説

    ゼウスが天空と神々の中心、ポセイドンが海、ハデスが冥界を治めることと、古代ギリシャの信仰実践を確認。

  3. 3
    Bronze statuette of Zeus or Poseidon ↗ The Metropolitan Museum of Art · 博物館所蔵品解説

    ゼウスは雷霆、ポセイドンは三叉の槍で識別され、後者が海を支配したことを確認。

  4. 4
    Homer, Odyssey, Book 9 ↗ Perseus Digital Library, Tufts University · 一次資料(英訳)

    目を潰されたポリュフェモスが父ポセイドンに祈り、オデュッセウスの帰還を遅らせるよう願う場面を確認。

  5. 5
    The Contest Between Athena and Poseidon for the Possession of Athens ↗ The Metropolitan Museum of Art · 博物館所蔵品解説

    オウィディウスに基づく後世の作品で、ポセイドンの馬とアテナのオリーブを競わせる筋を確認。

  6. 6
    しらほし — キャラクター検索 ↗ ONE PIECE.com · 作品公式情報

    しらほしが海王類と会話でき、その正体が古代兵器ポセイドンであることを確認。

次に読む

モチーフ一覧へ戻る 作品から探す